志村辰弥神父著『天国について ー カトリック教会の教え』、2

志村辰弥神父著『天国について ー カトリック教会の教え』
◆2、天国の存在
天国というものが実際に存在しているでしょうか?たんなる”おとぎばなし”ではないでしょうか?いいえ、それは確実に存在しているということがわかります。なぜなら真理そのものである、あやまることのできない神のみことばが明らかにそのことを断言し、わたしたちの理性もそれを要求しているからです。そのほかにまた、いろんな具体的証明もあります。
◆、聖書のことば
聖書を非常にくわしく研究した教会博士聖アウグスティヌスによりますと、聖書の中には、天国の話が400回も記されてあって、天国に入るための道を教えているのです。
もし、天国が存在しないとすれば、救い主イエズスキリストのご生涯はすべて無意味なものとなります。
では、地上におけるイエズスのご生涯、そのみ教え、こ受難とご死去、またご復活にどんな目的があったと思いますか?つまり、わたしたち人間を罪から洗い清めて、再び天国に入る道を教えるという目的です。福音書を読みますと、イエズスは、いく度も、天のこと、永遠の命のこと、天の国のこと、光栄のかんむり、婚宴などについて話しておられますが、それはすべて天国のことを示しておられるのです。
では、いくつかの箇所をここに引用しましょう。(マタイ19・16-21)ある日、ひとりの若者がイエズスに近づいてきて、「先生、永遠のいのちを受げるためにわたしは、どんな善いことをすればいいのでしょうか?」とたずねました。
イエズスは、はっきりとこれに対してお答えになって言いました、「あなたは、いのちに入りたかったら、"おきて"をまもりなさい」と。
「どのおきてをですか?」という若者の問いに、イエズスは神のおきてをならべたてました。かれが、
「わたしは、小さいときから、それをみな守ってきました。そのほかにたりないことがあるでしょうか?」ときいたとき、イエズスは「もし、あなたが完全になりたいなら、もちものを売りに行って、貧しい人々に、ほどこしなさい。そうすれば、あなたは、天に宝をつむでしょう。それから、わたしに、ついてくるがよい」とおおせになりました。
これは、天国に入るための確かな道、すなわち、神のおきてを守ることと、もっと完全な道である"すべてをすてて、イエズスについていく"という道をお示しになったのです。このみことばをきくと、あの若者は、悲しそうに去ってゆきました。福音書には、その理由を「かれは、大金もちだったから」と述べています。つまり、天国に入るためには、キリストが教えてくださる、普通の道か、完全な道を歩かねばならないのです。