ガザからパレスチナ人を追い出す作戦か?

CNNによると、イスラエル政府は、1日に2000人ずつパレスチナ人をエジプトに向けて出国させる意向のようです。その方がイスラエルにとって好都合であり、今、エジプト政府と協議中だと。パレスチナ人を全員追い出す作戦だったと評価する人もいます。
この戦争の開始当初から、イスラエル政府陰謀論もあり、それによると、世界有数の諜報機関モサドが、ハマスの攻撃計画を事前に把握していないはずはなく、イスラエルは全てを知りつつ、敢えて国境を手薄にし、民間人への大きな犠牲を口実にガザを潰そうとしている、というものです。
ハマスは、通信に全てファーウェイの通信機器を使うことで、情報の漏洩を防いだとする話もありますので、どちらが本当かはわかりませんが、もしイスラエルが事前に知りながら敢えて利用していたとしたら、何と言えばいいのでしょうか。
この話がどうなるにせよ、ガザのパレスチナ人への救済や処遇を巡って、エジプトとイスラエルの関係は急速に冷え込むでしょうし、やがて、サウジアラビアとの関係も悪化するでしょう。
一方で、米国とイスラエルは、今回の件へのイランの関与を調べており、既にウォール・ストリート・ジャーナルが、スクープ記事を載せています。CNNによると、米国は関係機関を総動員して、今なお具体的証拠を調査中とのことです。
米国がイランを攻撃するようなことがもしあれば、中国が黙ってはいないと思うのですが。直接救援をしなくても、囲魏救趙の発想で台湾への侵攻をするでしょう。皆さんも、この情勢がどうなっていきそうか、考えましょう。
【参考記事】
米国人やパレスチナ人のガザ退避を協議中 イスラエル高官 2023.10.12 (CNN)
(CNN) イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への地上侵攻に先立ち、米国人やパレスチナの民間人がガザからエジプトに脱出できるようにするための話し合いが進められていることがわかった。イスラエル高官が明らかにした。
交渉に詳しい当局者は11日、CNNの取材に対し、現在協議が行われている提案では、全ての米国市民はパスポートを提示すればラファ検問所を通過できる。一方、パレスチナの民間人の移動は1日あたり2000人に制限される。
この協議に関する最終的な承認は、ガザとエジプトを結ぶ検問所の管理を行っているエジプト側から得る必要がある。イスラエル政府高官は、可能な限り多くのパレスチナ人がガザを離れることがイスラエルにとっての利益となると述べた。
ガザに対する空爆によって何十万人もの人々が自宅からの避難を余儀なくされているものの、移動する先はほとんどない。中東全体でも、ガザは最も小さく人口が密集した都市の一つとなっている。
CNNの取材に答えたガザにいる米国人らは、イスラエル軍の激しい攻撃を受けているガザで安全なルートもなく閉じ込められると感じているとして、恐怖といら立ちをあらわにしていた。
ガザを脱出するエジプト経由の唯一のルートは攻撃のために、またイスラエル軍の侵攻が近いとみられていることから10日に閉鎖されたと報じられた。
https://www.cnn.co.jp/world/35210175.html
イラン、ハマスのイスラエル攻撃計画に関与 イラン革命防衛隊が8月から作戦会議に参加、10月2日に攻撃を承認していた
2023 年 10 月 9 日 14:14 JST 更新 (WSJ)
【ドバイ】パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが7日にイスラエルに対して行った大規模な奇襲攻撃は、イランの治安当局者が立案に関わっていたことが分かった。レバノンの首都ベイルートで2日に開かれた会合でイラン当局者が攻撃を承認した。ハマスとレバノンのシーア派組織ヒズボラの幹部が明らかにした。
両組織の幹部によると、イラン革命防衛隊(IRGC)の幹部はイスラエルへの陸海空からの侵入を立案するため、8月からハマスと協力していた。
ベイルートで数回会合が開催され、作戦の詳細が練られたという。会合にはIRGCの幹部のほか、ハマスとヒズボラなどイランの支援を受けている四つの武装集団の代表が出席した。
米国の当局者はイランが関与した証拠を確認していないと述べた。ブリンケン国務長官は8日に放送されたCNNのインタビューで「われわれは今回の攻撃についてイランの指示や関与を示す証拠を確認していないが、長期的な関係は確かにある」と述べた。
ある米政府高官はレバノンで開催されたという一連の会合について「現時点で(ハマスなどによる)証言を裏付ける情報はわれわれにはない」と述べた。
しかし欧州の政府関係者とシリア政府の顧問は攻撃の立案へのイランの関与について、ハマスとヒズボラの幹部と同じ説明をした。
ハマス高官のマハムド・ミルダウィ氏は会合についての質問に対し、ハマスが独自に攻撃を立案したと述べた。「これはパレスチナとハマスの決定だ」と話した。
イラン国連代表部の報道担当者は、同国はガザの行動を支持しているが、指示はしていないと述べた。「パレスチナの抵抗運動が行った決定は極めて自主的であり、パレスチナの人々の正当な利益と揺ぎなく一致している」とし、「パレスチナの対応はパレスチナによって単独で行われており、われわれは関与していない」と述べた。
イランが攻撃に直接関与したとすれば、イスラエルとの長期にわたる対立が表面化し、中東で紛争が拡大するリスクが高まる。イスラエル治安当局高官は、イスラエル人の殺害にイランが関与していることが分かれば、イラン指導部を攻撃すると明言している。
ハマス、ヒズボラの幹部とイラン高官によると、イラン革命防衛隊の計画は、イスラエルの北に拠点を置くヒズボラおよびパレスチナ解放人民戦線、ガザ地区とヨルダン川西岸地区のパレスチナ・イスラミック・ジハード(イスラム聖戦)とハマスで、イスラエルに対して多正面の脅威を作り出すものだという。
イスラエルは間接的に攻撃に関与したとしてイランを非難した。イスラエルのギラド・エルダン国連大使は8日、「われわれはイスラエルを取り囲むテロ軍のその他の指導者との会合がシリアとレバノンであったことを把握している。従って言うまでもなく、彼らが連携しようとしたことは容易に理解できる。われわれの地域のイランの代理勢力はできるかぎりイランと連携しようとした」と述べた。今回イスラエルが受けた攻撃は1973年の第4次中東戦争以来最大の規模だ。
ハマスはイランから支援を受けていることを公式に認めている。イランのライシ大統領は8日、イスラム聖戦の指導者ジヤド・アル・ナカラ氏、ハマス指導者のイスマイル・ハニヤ氏と会談した。
ハマスとヒズボラの幹部によると、イランはイスラエルと敵対するハマスやヒズボラなどの民兵の調整や資金繰り、武装にIRGCの国外向け資金・人員を投じるため、イエメンでのサウジアラビアとの対立などその他の地域紛争を棚上げしている。
米国とイスラエルはハマスとヒズボラをテロ組織に指定している。
イラン高官は「われわれは自由にシオニスト組織(イスラエル)に集中することができる」と述べた。「彼らは今、極めて孤立している」
今回の攻撃には、イスラエルがベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる政権を巡る国内の政治対立に気を取られている隙を突く狙いがあった。ハマスとヒズボラの幹部によると、サウジとイスラエルの国交正常化交渉の加速を妨害する目的もあったという。交渉は米国が仲介し、イランが脅威と見なしている。
アラブ湾岸諸国研究所(ワシントン)の上級常勤研究者フセイン・イビッシュ氏によると、イスラエルがエジプト、ヨルダンとの和平合意を足掛かりにペルシャ湾周辺のアラブ諸国との関係を広げれば、国際貿易の三つの重要海上水路――スエズ運河、ホルムズ海峡、紅海とアラビア海を結ぶバブ・エル・マンデブ海峡――を米国の友好国でつなぐことができるという。
イビッシュ氏は「これはイランにとって非常に悪いニュースだ」と指摘した。「これが実現すれば戦略的地図は劇的に変化し、イランが不利になる」
イランの国外代理組織を統一指揮下に集めたのが、イラン革命防衛隊の対外部門コッズ部隊を率いるイスマイル・ガーニ氏だ。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、ガーニ氏が4月にレバノンの会合でイスラエル周辺の複数の武装勢力の間で調整を始めたと報じていた。ハマスはこの会合で初めてヒズボラなど他の組織より緊密に連携し始めた。
イラン高官によると、この頃、パレスチナの組織がイランの指示の下、レバノンとガザ地区からイスラエルに限定的な攻撃を実施した。同高官はこの攻撃について「大成功だった」と話した。
イランはスンニ派のハマスを以前から支援していたが、他のイランの代理組織はシーア派で、最近になって組織間の協力が加速するまでハマスはアウトサイダーだった。
これらの武装組織の代表によると、8月以降、レバノンで少なくとも2週間に1度、コッズ部隊の幹部と会合を開き、今回のイスラエルへの攻撃とその後について議論した。ガーニ氏はヒズボラ指導者のハッサン・ナスララ氏、イスラム聖戦のアル・ナカラ氏、ハマス軍事部門幹部のサレフ・アル・アルリ氏とともに一部の会合に出席したという。
イランのアミール・アブドラヒアン外相は少なくとも2回の会合に出席したという。
ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)中東研究所のリナ・カーティブ所長は「このような規模の攻撃は計画に何カ月もかけて初めて実行できたはずで、イランとの連携なしでは起きなかっただろう」と話した。「ハマスはレバノンのヒズボラと同じく、イランから事前に明確な同意を取り付けずに単独で戦争の決定を下すことはない」
https://jp.wsj.com/articles/iran-helped-plot-attack-on-israel-over-several-weeks-80f7f7b1
ハマスのイスラエル攻撃、米諜報当局がイラン関与の証拠探る
2023.10.11 Wed posted at 15:21 JST (CNN)
ワシントン(CNN) 米諜報(ちょうほう)当局は大量のデータとスパイ組織を駆使し、イランがハマスによるイスラエルへの攻撃に直接的な役割を果たしていたのかどうか断定する有力な証拠を探っている。バイデン政権の高官が10日に明らかにした。
イランが長年ハマスを支援してきたことから、米国はイランを今回の攻撃の「共犯」とみている。ただサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)が10日に述べたところによれば、米政権は依然イランと攻撃の策定・遂行とを結びつける直接の証拠をつかんではいない。
非公式にCNNの取材に答えた諜報、軍事、議会に携わる多数の当局者らも、サリバン氏と同様、イランの直接的な関与を示唆する証拠は見つかっていないと述べた。これらの当局者らは機密情報へのアクセス権を有している。
イスラエルでもまた、諜報機関が過去の証拠に立ち返って検証を行っている。同国の高位当局者がCNNに明らかにした。
米国とイスラエルの諜報当局は、攻撃を事前に警告していなかった。米当局者らによると、攻撃の規模を考えればこれは驚くべきことだという。現在、バイデン政権は注意深く対応を進めている。
イランは長年にわたり、ハマスの主要な後ろ盾であり続けている。潤沢な資金や武器、資材を密かにガザへ送っているほか、広範な技術的、思想的支援にも携わる。
ハマスはイランの政権から一定の独立を維持している。元安全保障当局者や他の地域アナリストらによると、封鎖されたガザにイランからのアドバイザーはおらず、ハマスの活動に対する指令も出ていないという。
しかし7日に始まった攻撃が前例のない規模で行われたことから、ハマスがこれだけの高度な作戦をイランの直接の支援なしに遂行できるのかという疑問が噴出した。多くのアナリストによれば、イランはこの攻撃について、地域における国益上メリットの方が大きいと考えている。
国務省のある当局者は、これまで多くの時間と資源を費やしてイランによる行動を警戒し、対策を練ってきたとしつつ、今回の攻撃でそうした議論は間違いなく新たな段階に入ったと指摘した。
昨年、ハマスを率いるイスマイル・ハニーヤ氏は、同年イランから7000万ドル(現在のレートで約104億円)を受け取ったと公言。この資金を活用してロケット弾を製造すると述べていた。国務省の2020年からの報告によると、イランは毎年約1億ドルをパレスチナのテロ組織に提供しており、そこにハマスも含まれているという。
退役した米中央軍のフランク・マッケンジー元司令官ら米国の元当局者は、ハマスが7日の攻撃で使用した大量の武器がイランの協力で用意されたものであることに疑問の余地はほとんどないと指摘した。
それでも米国の情報分析に関係のある現役の当局者や元当局者は、過去のハマスへの支援だけでイランの直接的な関与の証拠とするのは不十分だと警告する。
イラン政府は公に攻撃を称賛したものの、自国のいかなる関与も否定している。イスラエル国防軍(IDF)の報道官も9日、米政治専門サイト「ポリティコ」の取材に答え、イランが攻撃の背後にいる証拠はつかんでいないと明らかにした。
一部の米当局者は、イランが少なくとも攻撃の計画に何らかの形で関わっている公算が大きいとの見解を非公式に示す。こうした評価はイランに対し、あらゆる機会を通じてサウジアラビアとイスラエルの関係正常化に向けた取り組みの阻止を目指す可能性があるとの想定に基づく。当該の交渉は不確実性が高く、今回の攻撃で危機に陥ったとするのが大方の見方だ。
同時にイランとしては、イスラエルに対するハマスのいかなる攻撃からも距離を置きたい考えがあるとみられる。ワシントン近東政策研究所でイランの支援を受ける組織を担当するマイク・ナイツ上級研究員は、イランが攻撃に先駆けて何らかの作戦上、計画上の支援を提供した可能性があるとしながらも、実際の攻撃はハマス単独で遂行させる考えだっただろうと示唆した。
「見たところ、ハマスは何か極めて重要な新しい手口を外部から学んだようだ。恐らくイラン人からだろう」「しかしそれは必ずしも、イランに戦争拡大の意向があることを意味しない」(ナイツ氏)
米諜報当局者はまた、ハマスが攻撃に踏み切った直接の動機も把握しようとしている。パレスチナ自治政府とは異なり、ハマスはイスラエルを承認してはいない。目指すのはユダヤ人国家の破壊だ。
前出のマッケンジー氏らによれば、攻撃の動機はハマス自体が抱える偏狭な理念であった公算が大きい。サウジとイスラエルの国交正常化に与える影響はほとんど考慮されていなかったというのが同氏らの見解だ。
「問題はあくまでもハマスとイスラエルの関係であり、それ以上の広がりはない。『これでサウジはどうなるか?』といったことは念頭にない」(マッケンジー氏)
https://www.cnn.co.jp/usa/35210109.html
